認知症とは

年齢を重ねることにより脳の働きが悪くなったために、記憶や理解力、判断力などが低下し、生活に支障が出ている状態のことです。主な病気の種類としては、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあります。
治療法もそれぞれ異なり、アルツハイマー型、レビー小体型認知症は服薬にて症状の進行を緩やかにし、脳血管性認知症は血圧管理や脂質異常症の管理を行い脳血管障害の再発を防いで症状や進行の緩和を図ります。また、いずれの認知症にもレクリエーションや身体的なリハビリが有効です。そして何より大切なのは人とのつながりを持つことだと考えられます。

認知症の種類とその割合

若年性認知症とは

若年性認知症とは

65歳未満で発症した場合を若年性認知症と言います。
早いと20代で発症することもありますが、発症の平均年齢は54歳くらいです。若いので、変化があっても認知症の兆候と気が付かず、病院への受診が遅くなることがあります。働き盛りでの発症も多いので経済的な不安を抱える場合が多くあります。
介護保険だけでなく、障害福祉サービスや障害年金の対象になることもありますのでご相談ください。
若年性認知症は、高齢の認知症に比べて進行が速いと言われています。仕事でもの忘れによるミスが重なったり、調理の際に同じ料理ばかり作ったり、味付けが変わったり、公共交通機関の乗り間違いなどを何度もしてしまう時はチェックリストを試してみてください。チェックリストで該当した場合は早めの受診をおすすめします。

軽度認知障害 MCI Mild Cognitive Impairment

軽度認知障害 MCI Mild Cognitive Impairment

認知機能の低下はみられるものの、自立した生活を送ることができている状態です。以前よりもの忘れが増えている、同年代の人と比べてもの忘れが多いと感じたら、受診してみるのがよいでしょう。軽度認知障害と診断された人のうちすべてが認知症を発症するわけではありません。しかし早期に受診し生活習慣を見直すことにより、認知障害の進行を遅らせることや、その他の病気の予防をしていくことができます。

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病名 代表的な症状 接し方のヒント
アルツハイマー型
認知症
  • もの忘れ
  • 時間や場所、人物が分からない
  • 物事の段取りがとれなくなる(家事、運転など)
  • 取り繕う
  • 事実と異なることを話す
  • 否定しない
  • 責めない
  • 同じ質問を何度しても、本人にとっては初めて尋ねる内容なので丁寧に返事する
  • 日めくりカレンダーにその日の予定を記入しておく
  • 無理強いはしないで、やりたくなるような声かけをする
脳血管性認知症
  • 気分の落ち込み、意欲低下
  • 行動や思考がゆっくりになる
  • 感情のコントロールが上手くできない
  • 病状に変動があり夜間に悪化しやすい(夜間せん妄)
  • 障害された部位により言語障害、麻痺、歩行障害
  • 生活習慣を整え、脳血管障害の再発を予防する
  • 本人のつらさに共感を示す
  • 本人の自尊心を保つよう、本人のできることまでサポートしない
レビー小体型
認知症
  • 幻視(人物、動物など実際にいないものがリアルに見える)
  • 手足の震え、小刻み歩行、筋肉の硬直
  • 日によって症状に大きな波がある
  • 寝言や睡眠時に手足を激しくバタバタさせる
  • 幻視や見間違いを防ぐため、照明は明るく一定にする
  • 家具はすっきり整頓する
  • 壁に物をかけない
  • 壁紙は無地がよい
  • 畳やカーペットのしみは取り除く
  • 幻視は否定せず、どんな物が見えているか話してもらう
  • おびえている場合には「悪さはしませんよ」などと安心できる声かけをする
  • 見えているものを一緒に触ろうとすると消えることもある
前頭側頭型
認知症
  • 性格の変化
  • 自分勝手に見える行動
  • 行動に抑制が効かない
  • 社会的ルールを気にしない(万引き、交通違反など)
  • 同じ行動を繰り返す
  • 相手の話の理解ができない
  • 早期より本人の使うもの(タオルやコップなど)は同じ色に統一し、自分の物であるとの認識を持ってもらう
  • 万引きなどは同じ店、同じ商品のことが多いので前もって店側に説明をし、支払方法を決めておく
  • 困った同じ行動は別の行動パターンへ変更する。「何時から何をする」など紙に書き出し、時刻表的生活を組み立てるとよい